BMC (ビジネス マフィアン クラブ)|Business Mafian Club

“業績はいいのに苦しい”会社が急増中|物価高と営業利益率低下がもたらす危機とは

近年、売上や利益が増えているのに「経営が苦しい」と感じる企業が増えています。 決算書上は業績が好調でも、現場では資金繰り・人件費・コスト上昇の負担が重く、実感が伴いません。 

背景には、物価高・営業利益率の低下・キャッシュフロー悪化という3つの要因が絡んでいるのです。 ここでは、それぞれの理由を整理しつつ、企業が今とるべき対応をお伝えしますので、参考にしてみてください。

要因①:物価高とコスト上昇が利益を圧迫

物価高とコスト上昇が利益を圧迫しています。

売上は増えても利益の質が落ちる

原材料・エネルギー・物流費などの高騰により、企業の仕入れコストが上昇しています。 その結果、売上は物価高によって名目上は伸びていても、利益が追いつかない状況が生まれているのです。 価格転嫁が十分でない企業ほど営業利益率が下がり、「業績がいいのに苦しい」と感じやすくなります。

たとえば、同じ売上でも、仕入れや人件費が数%上がれば、営業利益は大きく減少します。
数値上は「増収増益」となっても、実際には現場の負担が増えているというのが現実です。

要因②:営業利益率の低下が経営体力を奪う

営業利益率の低下が経営体力を奪ってしまいます。

売上よりも“稼ぐ力”が重要に

営業利益率とは、売上に対する営業利益の割合を示す指標で、本業の収益力を表します。 この比率が下がると、同じ売上を上げても得られる利益が減るため、資金繰りが苦しくなるのです。

多くの企業が「売上を伸ばすことで利益を確保」しようとしますが、利益率が低いままだと、売上を増やすたびに在庫・仕入・人件費といった負担も増加します。
つまり、売上拡大が逆に苦しさを生む構造です。

営業利益率が低い企業は、景気や為替の変動にも弱く、少しのコスト上昇で黒字が消えるリスクがあります。
今後は「どれだけ売るか」よりも「どれだけ残すか」を重視する視点が欠かせません。

要因③:キャッシュフローのズレが“現金不足”を招く

キャッシュフローのズレが現金不足を招きます。

利益があってもお金が残らない

「帳簿上は黒字なのに現金が足りない」という悩みも多くの企業に共通します。 売上が増えても、回収が遅れたり、支払いが先行したりすることで資金が枯渇するのです。

たとえば、売上代金が翌月入金で、仕入れや人件費を先に支払う場合、利益があってもキャッシュが不足します。
在庫の積み増しや新規投資を行えば、さらに資金繰りは厳しくなります。

この“利益と現金のタイムラグ”が、業績が良く見えても苦しさが増す大きな理由です。
企業は、キャッシュフロー計画を明確にし、運転資金を可視化することが求められます。

“業績がいいのに苦しい”構造の本質

業績がいいのに苦しいという構造の本質をみていきましょう。

見かけの業績と実質の経営力のズレ

現在の企業経営では、「見かけ上の業績」と「実質的な経営余力」に大きな差が生まれている状態です。 物価高により売上は伸びても、利益率の低下やコストの増大で内部留保は減少。 結果として、手元資金や社員への還元余力が乏しくなっています。

また、薄利多売のビジネスモデルでは、少しの売上減少でも一気に赤字化するリスクがあります。
この構造的な脆弱さが、多くの企業を「苦しい」状態に追い込んでいるのです。

企業がとるべき対策:量より質の経営へ 

それでは、企業はどのような対策をとるべきなのでしょうか。

利益率重視の経営に転換を

第一に、営業利益率を高める経営へ転換することが必要です。 単価を上げる努力、無駄なコストの削減、付加価値の高い商品・サービスの開発を進めるべきです。 「価格転嫁」だけでなく、「価値転嫁」が重要になります。

 資金繰りを見える化し、先行負担を抑える

次に、キャッシュフロー管理の精度を上げ、入金と支出のタイミングをコントロールすることです。 在庫の最適化や回収サイト短縮、支払条件の交渉など、現金の流れを整える工夫が欠かせません。

まとめ

 表面上の業績が良くても、利益率や資金繰りが悪化していれば企業は疲弊します。 逆に、売上が伸び悩んでも営業利益率が高く、キャッシュが安定している企業は強いです。

今の時代、必要なのは「規模の拡大」ではなく「経営の質の強化」です。
数字に安心せず、内部の収益構造を見直すことこそが、長く生き残る企業の条件と言えるでしょう。

BMCでは、様々な起業家が集まっており、こういったニッチな情報もリアルタイムの情報が得られる環境が整っています。すでに導入している先輩と出会える機会も多くあります。ぜひともBMCでともに学び面白く働くを実現しましょう。

上部へスクロール