中小企業にとって、サイバー攻撃の脅威は他人事ではありません。実際、小規模な組織ほど防御力が弱く、攻撃対象になりやすい現状があります。
この記事では、人手不足が深刻な中小企業に対し、最低限取り組むべきセキュリティ対策をご紹介します。国や自治体の支援策も含め、企業の安全を守るために今すぐ実行できるポイントをまとめました。
◆なぜ中小企業がサイバー攻撃の標的になるのか?
攻撃者は、守りの弱い中小企業を狙いがちです。古いソフトや更新が不十分なシステムを狙う簡易な攻撃が多く、人的ミスによる侵入が大多数です。
◆最低限行うべき基本セキュリティ対策
最低でも、この基本セキュリティ対策は行いましょう。
1. ソフトウェアの自動更新とパッチ適用
常に最新状態を維持することで、既知の脆弱性から守ります。【FTC】や【Fortinet】でも推奨されています。
2. 強固なパスワードと多要素認証(MFA)導入
長く複雑なパスを設定し、可能であればMFAを採用することで不正アクセスを防止します。
3. 定期的な従業員教育
フィッシングや社会的操作への意識を高める研修は、インシデント抑制に効果的です。人的ミスは多くの被害原因となります。
4. バックアップと検知体制の整備
定期的なバックアップ保存に加え、侵入・異常行動を監視するソリューション導入が重要です。
◆人手が足りなくてもできる運用の工夫
人手が足りなくても可能な運用の工夫をお伝えします。
セキュリティ責任者を“兼務”で立てる
専門要員がいなくても、既存スタッフに責任者の役割を担わせ、運用を定期的に確認すれば安定性が高まります。
自社診断・簡易チェックリストの活用
IPAや経済産業省が提供する5分診断やチェックリストを使い、現状を把握し対策優先度を判断できます。
◆補助金や支援制度をうまく活用する
地方自治体や東京都では「UTM・EDR導入補助制度」など、セキュリティ機器導入を支援する施策があります。
「SECURITY ACTION」などの宣言制度も活用し、企業としての信頼性向上にもつなげましょう。
◆対応手順とインシデント発生時のフロー
被害が発生した際の、対応をご紹介します。
事前策:簡易「対応マニュアル」策定
侵害時の対応や連絡先、対応フローを整理して社内共有することで被害抑制が期待されます。
事後策:報告と再発防止プロセス
被害発生時は、IPAなどの相談窓口に速やかに通報。復旧後は原因を分析し対策を講じて、文書化まで進めましょう。
◆まとめ
中小企業にとって、サイバーセキュリティ対策はもはや選択肢ではなく必須事項です。サイバー攻撃は大企業だけの問題ではなく、セキュリティが手薄な中小企業こそが狙われやすい実態があります。しかしながら、対策には莫大なコストや人材が必要だと誤解されがちです。実際には、OSやソフトウェアの自動更新、強固なパスワードの設定、社員教育の徹底、バックアップ体制の構築など、すぐに始められる基本的な施策が多くあります。
さらに、国や自治体が提供する補助金や支援制度をうまく活用することで、専門人材がいない企業でも安心してセキュリティ強化に取り組むことができます。重要なのは、完璧を求めるのではなく、「まずはできることから着手する」姿勢です。小さな一歩の積み重ねが、大きなリスクを防ぎ、企業の信頼性や継続的な成長につながっていくのです。
今こそ、自社にとって最も身近な脅威に目を向け、着実な対策を進めていくタイミングでしょう。
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