今回は、「守破離の法則」をテーマにお話しします。
あなたの周りにもいらっしゃるかもしれませんが、私の周りでもビジネスパーソンとして成長スピードが早い人はこの「守破離の法則」を実践している方が多いです。
元々、この守破離とは、茶道で有名な千利休がはじめに見出したものとされており、それ以降、歌舞伎、剣道などの様々な道や型の習得プロセスを表す言葉として使われてきました。まずは先人の教えを守るところから始まり、習得できたらその型を破ります。最終的には独自に型を発展させ、その型から離れた己のスタイルを確立していくというこの一連の流れをまとめて「守破離」と呼ぶことはご存じの方も多いと思います。そして、この「守破離の法則」は、現代の多くの一流ビジネスマン、成功者が実践している教えにもなっているのです。
そこで、今回の私の動画では、この「守破離の法則」を仕事に活かすために、その実践ポイントを「守」「破」「離」の各3段階に分解してお話ししていきたいと思います。「守破離の法則をなんとなく聞いたことはあるけど、実際に出来ているのだろうか…」「ビジネスマンとして飛躍的に成長していきたい!」「一流を目指したい!」とお考えの方は、参考にしていただける内容となってますので、ぜひ最後までご覧になってみてください。
それでは、まずは、守破離の「守」からいきましょう。守破離の第一段階である『守る』の段階では、その鍵となる3つのステップが存在します。「師匠を見つける」「型をインプットする」「型を実践する」の3つのステップを意識し、日々実践練習することで、師匠の型を自分の型として自分自身にダウンロードできるようになりますので、非常に重要なステップです。それぞれ1つずつ解説していきますと…
ステップ1:「師匠を見つける」
最初の大事なステップは、師匠を見つけるということです。単に「師匠」と言っても、ここでいう師匠とは、自分が真似したい人、理想とする人を身近で選ぶということが重要なんです。自分に合った師匠を見つけるポイントは、自分の身のまわりにいる実績を出している人の中で、真似できそうと思える人を選ぶことなんです。最初に自分との性格・考え方があまりにも異なる人を師匠に設定してしまうと、自分とのギャップで挫折リスクが高くなってしまうので、注意が必要なんです。例えば、私のような経営コンサルタントの場合だと、職場の優秀な先輩マネージャーや上司、または、参加したビジネスコミュニティのシニアなメンバーなどが有力な候補となります。つまり、師匠はなるべく身近で、観察できる機会が多い人を選ぶことが大事なんです。
ステップ2:「型をインプットする」
師匠をみつけたら、続いては、師匠の型をインプットすることが重要です。そして、師匠の型として「思考の深め方」「思考の整理術」「伝え方」の3つのポイントに着目してその型をインプットしていくことがポイントとなります。それぞれ見ていきますと…。まずは「思考の深め方」ですが、人には良い悪いは別として「思考のパターン」が存在します。例えば、論点を導き出す際の切り口や、仮説を発想する際の着眼点、仮説を検証する前の思考実験の方法などなど、師匠である、その人がよく用いる「思考の深め方」「思考パターン」があります。師匠がよく用いる思考方法をまずは知ることが重要です。とは言っても、そう簡単に師匠の「思考の深め方」を捉えることが出来ないこともあると思います。その場合は、口癖や言い回し、師匠の言葉の発し方に注目してみてください。喋り方を完全コピーするところから始めて、師匠の思考の深め方を探るようにしてみてください。
また、2つ目の「思考の整理術」についてですが、ここでのポイントは、その思考の整理術が使用される場面やそのプロセスについて注目することです。巷でもこの思考の整理術については、ロジックツリーやマンダラート法、ビジネスモデルキャンパスなど様々なフレームワークがあります。このフレームワークは、思考を整理する上で非常に有効な手段ですが、それを単純に当てはめるだけではうまくいかない場合が多いのも事実なのです。その原因として考えられるのは、場面場面に合った適切なフレームワークを使用できていなかったり、適切なプロセスでそのフレームワークを使えていない場合などが挙げられます。ですから、師匠とする優秀な人が、実績を積み上げているその場面で、何をどのようなプロセスで、思考を整理するために使い、実践しているのか、を学ぶことが大切です。例えば、コンサルタントの場合ですと、取り組んでいる業界・テーマ・クライアント・論点に合わせてどのようなフレームワークが使い分けされているのか、またフレームに当てはめて思考を整理する一部始終のプロセスはどうなっているか、に着目することが重要になってくるという訳です。
そして、3つ目のポイント「伝え方」ですが、言い換えると影響の与え方です。これが非常に重要なのですが、在り方とやること、師匠とする人が効果的に人に伝えるために行っている工夫などについて注目します。やることとしては、例えば、プレゼンのスライド作成では、メッセージの表現・言葉遣い、強調するカラーやコンテンツの見せ方などがありますし、在り方の部分では、なぜ、それをにフォーカスして伝えるのか、何のために、誰のために、なぜそれを伝えるのかなど師匠の伝え方の本質を見極め、独自の癖を完全コピーしましょう。徹底的にモデリングしてください。
ステップ3:「型を自分のものにする」
そして、ステップ3、「師匠の型を自分のものにする」です。ステップ2でインプットした師匠の型を実際に使って実践してみることがステップの3番目となります。このプロセスを手を抜くと次の破るも離れるも機能していきません。真似してみるとわかると思いますが、ただ単に真似をするだけでも相当難しく、実際に師匠の型を使ってやってみても、師匠と自分とでは生み出す成果が全く異なることが分かると思います。小手先だけで真似ても意味がないんです。なので、「思考を深める」⇒「思考を整理する」⇒「アウトプット」の、この一連「守り」のプロセスを繰り返し繰り返し行なうことで、師匠とのアウトプットの差を比較し、フィードバックをもらい、本質の部分を体得し、師匠に近づく努力を継続することが重要なのです。無意識にできるようになるまで、意識して意識して実践を継続してみてください。
次は守破離の法則の2つ目。「破」です。この「破る」の段階では、型の引き出しを増やし、自分なりに基本の型を組み合わせて再構成することで、型を進化させ、成果をより高いレベルで実現していくフェーズです。具体的には、他の複数の師匠のイイとこ取りをして、シーンに合わせて使い分けていくというイメージです。伝統を強化し、革新を図っていくという「破る」というフェーズの実践ポイントは2つです。「師匠を増やして”守る”を繰り返す」と「型を組み合わせ、アレンジする」の2つのステップについてお話しします。
ステップ1:「師匠を増やして「守」を繰り返す」
先ず1つ目、「師匠を増やして「守る」を繰り返す」です。「破る」の第1ステップ、「師匠を増やして「守る」を繰り返す」のステップでは、「守る」で実践した「思考の深め方」「思考の整理術」「伝え方」のインプットを他の別の師匠を特定して、同様に行うことを繰り返します。ただし、ここでは、この他の師匠の選び方がポイントで、守るの段階とは異なり、興味がある領域の師匠だけでなく、これまで興味がなかった、又は、あまり知らなかった異なる業界、異なる領域の師匠を設定することをおすすめします。そうすることで、思考の幅が一気に広がっていって、型の引き出しを増やすことができるようになります。
ステップ2:「型を組み合わせ、アレンジする」
次は、「型を組み合わせ、アレンジする」です。「破る」の第2ステップでは、これまでに学んだ、身に着けた型を自分なりに組み合わせることを行っていきます。ここでは、場面に合わせて複数の師匠の型を使い分け、俳優のように、なり切ることがポイントです。具体的に、組織の課題発見の場面では、「思考の深め方」として、師匠Aの思考パターンをイメージして行い、業界構造の整理の場面では、「思考の整理の術」として、師匠Bの整理の仕方をイメージして行います。プレゼンの場面では、「伝え方」として、師匠Cをイメージして行うといった具合に別々の師匠を使い分けパターンを試すということです。はじめは、この使い分けに慣れず、強く意識的に意図的に師匠の型をイメージする必要があります。ですが、徐々に慣れてくると無意識でそのシーンにあった適切な師匠の型が自分に降りてくるようになります。ここまで来ると、単なる師匠のコピーではなく、師匠を超えた域に到達していきます。
守破離の法則の最終段階である「離」、離れるでは、独自の新しいものを生み出し確立させることを目指していきます。「離」を成功させるステップとしては2つあります。1つ目は「身に付けた型の不足要素をみつける」2つ目は「オリジナルの型作りに挑む」の2つのステップです。1つずつお話ししていきますと…。
ステップ1:「身に付けた型の不足要素をみつける」
まず、ステップ1、「身に付けた型の不足要素をみつける」。守破離の「離」の段階では、「守・破」の段階で身に付けた特定の型から「離れる」ということを目指します。その為に、今まで身に付けてきたことを整理して、足りない要素を探すことがポイントになります。例えば、今まで身に付けてきた自分の型を整理していくと、より高みを目指していく上で、これまでの師匠の型だけでは、どうしても不十分なものや改善の余地がある要素が見えてくるはずです。このように不足している要素を見つけることができれば、次に行うべきことが見えてくるはずです。
ステップ2:「自分なりの型作りに挑む」
そして、ステップ2「自分なりの型作りに挑む」。更に、自分独自の型を作る為には、様々な領域からのインプットが欠かせません。自分の知っている領域で、自分が自覚できる不足要素をいくら綺麗に整理したからと言って、実際はその外側に、より大きな不足領域があることが多いからです。常に学び、周りからのフィードバックを受けとり、今の自分に不足している部分を取り込み、改善していくことが、自分独自のオリジナルの型を生み出していくために重要なポイントなのです。
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