BMC (ビジネス マフィアン クラブ)|Business Mafian Club

経営理念が浸透しない原因と浸透させるための5つのポイント

今回は、「経営理念を浸透させる方法」をテーマにお話しします。

経営理念とは、企業の活動方針を示す基本的な価値観を表したものであり、組織の軸として非常に重要ですよね?

しかし、そんな大事な経営理念が会社にあったとしても、全社員に浸透しなければ、全く意味がありません。そして、実際、HR総合調査研究所によれば、経営理念が浸透していると考えている企業は全体の6%、「やや浸透している」と答えた企業は36%であり、合わせても50%に届いていません。つまり、経営理念が十分に浸透していない企業の方が、過半数を超えているというわけなんです。

ですから経営理念の浸透というのは、非常に難しく、事実、浸透していないと考えている企業が多いんです。だからこそ、その困難を乗り越えて、しっかりと経営理念が浸透した企業は、社員一人一人が同じ価値観を持って、理想に突き進んでいけるので強い組織となるのではないでしょうか。

そこで、今回の記事の前半では「経営理念が浸透しない理由」、後半では「経営理念を社員に浸透させるための具体的な方法」についてお話しします。

経営理念を浸透させることに悩みを持たれている経営者やマネジメント層の方は、参考にしていただける内容となっていますので、是非、最後までご覧ください。

経営理念を社員に浸透させるためには、まずはじめに「理念浸透がうまくいかない原因」を知っておく必要があります。経営理念が浸透しない主な原因は大別すると5つあります。1つずつみていきますと…。

①経営理念を作っただけで満足
理念浸透がうまくいかない原因の一つとして、理念を作っただけで満足しているケースが挙げられます。経営理念は掲げているだけで自然に浸透するものではありません。行動で示して行かなければなりません。また、経営者やマネジメント層が経営理念を伝えているつもりでも、社員一人ひとりの心に響いていなければ意味がありません。


②経営理念が抽象的
経営理念が抽象的で伝わりづらい状態だと、理念浸透を目指すことは当然難しくなります。経営理念が「具体性に欠ける」「文言が抽象的すぎる」など伝わりにくい内容の場合、社員は組織の大切にしている価値観をイメージできません。


③経営理念の背景や意味が伝わっていない
経営理念を掲げる目的や理念の意味を従業員が理解できていないことも、経営理念が浸透しない原因の一つです。経営理念の存在は知っていても、作られた背景や目的を知らない従業員は少なくありません。「なぜ理念が大切なのか」「理念実現の先には何があるのか」など、社員が経営理念の重要性や価値が分からなければ、その分、浸透は難しいでしょう。社員への理念浸透を目指すためには、経営理念が作られた背景や目的が伝わるような工夫が必要です。


④経営理念が時代遅れ
特に歴史のある企業の場合、創業時に定めた経営理念が時代の変化によって、現状にふさわしくなくなっていることがあります。IT化やグローバル化によって変化が激しくなった現代において、古い理念は今の時代に合わなくなっている場合があるのです。そのため、リアルな現代社会のあり方とのギャップにより、社員の中に理念が落とし込まれてない場合があります。


⑤日常業務レベルに落とせていない
経営理念の内容を、社員の日々の業務レベルに落とし込めていない場合、浸透は難しいです。経営理念は、社員の行動につながって初めて意味を成すため、具体性のない理想論や精神論を提示しているだけでは、形式上の経営理念であり、その効果を発揮しません。

次に、この5つの原因を打開して、経営理念を組織に浸透させるためにはどうしたらよいのか?私が効果的だと思う方法をこちらも5つご紹介したいと思います。


①ストーリーを伝える
経営理念に関連するストーリーを伝えることで、理念に共感してもらう方法です。社員が企業理念に興味を持たなかったり、共感できなかったりする場合、ストーリーを語ることは非常に効果的です。経営理念が生まれた背景や理念に込めた想いなどをストーリーとして社員に共有します。また、伝えるストーリーは共感してもらい易いように、誰が見ても同じ解釈ができる簡単な内容にするのがコツです。具体的でわかりやすい言葉で簡潔にまとめると、社員に限らず社外の人にも伝えたいことを明確に伝えられ、企業のファン獲得にも繋がります。


②経営者が理念に沿った行動をとる
経営理念浸透のゴールは、企業理念に基づいた行動が当たり前になり、日常業務で活かせるようにすることです。そのためには、まずは社員が経営理念に基づく行動をしてみたいと思うきっかけが必要となります。具体的には、経営者や上司が企業理念に沿った行動を実践して、現場で働く社員の見本となることが効果的です。どのような行動が企業理念に基づくものかを示し、社員自身も行動してみたいと思わせるようにするわけです。


③経営理念を説明する機会を設ける
繰り返しになりますが、経営理念を従業員に自主的に理解させることは容易ではありません。理念浸透には時間がかかること、浸透させるための対策が必ず必要です。そして、社員への理念浸透を促すためには、繰り返し、繰り返し経営理念について説明する機会を設けることも効果的です。経営理念が作られた背景や目的を正しく伝えるために、経営理念作成に携わった経営者やマネジメント層から直接の経営理念に対する想いや意味を説明することがポイントです。経営理念についての説明は、長く語るよりも端的に伝えた方が理解されやすくなりますので、朝礼や会議など従業員が集まる場面で、繰り返し端的に伝えることを意識してください。ちなみに、私の会社では、毎回の会議の冒頭で経営理念に沿った最近の行動や体験を社員1人1人に簡単に共有してもらっています。


④社員と経営理念の接点を増やす
社員のなかには、経営理念の存在や内容自体をよく知らない人もいるかもしれません。そうした状況を防ぐためには、経営理念の唱和やクレドカードの配布、経営理念に関する勉強会の実施などを定期的に行います。社員が経営理念に触れる機会を増やし、経営理念をより身近なものにすることが大切です。その他、社内報やメール、社内で使っているポータルサイトへの記載も効果が期待できます。経営理念を発信できるツールを洗い出し、積極的に活用することがポイントです。


⑤人事評価制度に経営理念を取り入れる
社員にとって、評価や承認は仕事へのモチベーション維持に関わります。能力や成果だけでなく経営理念に沿った行動ができているかどうかも合わせて評価することで、社員は理念実現に向けて主体的に行動するようになります。人事・評価制度に経営理念を取り入れる場合は、理念と評価に一貫性を持たせることが重要です。「経営理念を理解し実現に向けた行動ができているか」「経営理念に沿った人物像であるか」など、経営理念を絡めることで評価基準がより明確になります。人事評価制度と理念浸透を組み合わせることは、企業と従業員双方にとって大きなメリットといえるのではないでしょうか。

はい。いかがだったでしょうか?

今回は、「経営理念の浸透」というテーマで、経営理念が浸透しない原因と浸透させるための5つの方法についてお話ししました。何か参考にしていただけたでしょうか?

社員への理念浸透は、行動基準が明確になり主体的に行動するきっかけとなったり、エンゲージメントやパフォーマンスが向上したりと、企業にとってプラスになることだらけです。

また、経営理念には、社員だけでなく顧客や社会に対しても企業の価値観や行動指針を伝える大切な役割があり、企業価値やブランドイメージの向上にもつながりますので、長い目をもって理念浸透の為の行動は重要だと思います。

最後までご覧いただきありがとうございます。私は、普段、経営者、個人事業主、フリーランスなど自分で事業をやっておられる方が幸せに成功するための具体的な方法を”無料オンラインサロンBMC”でも教えています。ご興味のある方は、是非覗いてみてください。

上部へスクロール