コロナ禍で広まったテレワークは、現在では「出社+在宅」を組み合わせたハイブリッド勤務が主流になりました。それにもかかわらず、「週◯日は出社」「出社率△%」といったルールだけで管理している企業もまだ多い状況です。
しかし、働く場所だけを縛る管理では、成果を高めるという本来の目的を見失ってしまいます。これからの勤務制度を考えるうえで、出社率ではなく“価値創造につながる新しいKPI”が求められているといえるでしょう。
◆なぜ“出社率KPI”は限界を迎えているのか

出社率をKPIにすると、仕事の内容に関係なく「とりあえず出社」が増えやすくなり、生産性の低下につながります。通勤時間が増えて集中時間が減り、出社行動そのものが目的になり、成果への紐づきが弱くなるためです。また、企業の制度と従業員の希望する勤務スタイルにギャップがあるケースも多く、出社強要型ルールは退職リスクを高めやすいという課題も指摘されています。
◆KPIとは何かを押さえ直す必要がある
KPI(重要業績評価指標)は、最終的なゴール(KGI)を実現するための過程を示す指標です。つまり、行動を変え業績改善に向かわせるためのものです。本来のKPIは「何をどこまで進めれば成果につながるか」を数値で示すものであり、「オフィスにいるかどうか」を数える指標ではありません。だからこそ、働き方が多様化した現在、KPIの設計を見直す必要が生まれています。
◆ハイブリッド勤務に必要な“新KPI”の発想
ハイブリッド勤務で意識したいKPIは、大きく3つの視点に分類できます。
①成果・アウトプットを測る指標
出社日数に関係なく追える、ビジネス価値に直結した指標です。 ・案件納期の遵守率 ・1人あたり売上/処理件数 ・クレームやエラーの件数 出社を増やした結果これらが向上しなければ、出社率を追う意味は薄いと言えます。
②コラボレーションの質を測る指標
ハイブリッド勤務では、つながり不足や情報不足が起こりやすいため、協働の質の可視化が重要になります。 ・定例1on1の実施率 ・会議の発言率やチャットでの投稿量 ・部門横断プロジェクトの参加人数 数値化することで「出社数ではなく協働の質を高める」運用に転換できるのです。
③従業員エクスペリエンス(EX)を測る指標
ハイブリッド勤務の成功は、自由度・心理的安全性・健康のバランスで決まります。 ・エンゲージメントスコア ・パルスサーベイ回答率 ・年休取得率やストレス指標 孤立感や疲弊の兆しを早期につかむことができるため、離職防止にも有効です。
◆新KPIを機能させるためのポイント
新しいKPI設計を成功させるには、運用プロセスが重要です。
・経営:組織の最終ゴールを明確に示す
・現場:実務のリアルを反映して指標を選定する
・人事:人的資本・EXの視点を加えてバランスをとる
KPIは固定ではなくアップデート前提で運用する
KPIは一度決めたら終わりではありません。 「試す → 数値の変化と現場の声を照合 → 改善」を繰り返すことで、制度が成熟していきます。機能していない指標は捨て、より成果につながる指標へとアップデートしていく姿勢が欠かせません。
◆まとめ
ハイブリッド勤務がスタンダードになった今、企業が追うべき指標は「出社率」ではなく「成果・協働・エンゲージメント」です。
出社は制度のゴールではなく、成果を高めるための“手段”にすぎません。新KPIを設計し、働き方の効果を検証し続ける企業ほど、業績・人材定着・イノベーションの面で優位に立っています。
これを機に、出社率中心の管理から「価値創造KPI」へと舵を切ってみてはいかがでしょうか。
BMCでは、様々な起業家が集まっており、こういったニッチな情報もリアルタイムの情報が得られる環境が整っています。すでに導入している先輩と出会える機会も多くあります。ぜひともBMCでともに学び面白く働くを実現しましょう。
