物価高や将来不安、副業や転職の一般化など、働く価値観が大きく変化しています。
かつては「成長できる」「やりがいがある」などの感情的な満足によって人材が定着しました。しかし、今は生活の安定やキャリアの選択肢を失うことへの不安が、転職を後押しする要因になっています。
そのため企業には、“やりがいに頼らない関係づくり”が求められるようになりました。ここで重要になるのが、「エンゲージメント」を高める取り組みです。
本記事では、エンゲージメントの意味や注目される背景、本当にエンゲージメントが高い企業の共通点を整理します。
◆エンゲージメントとは?

エンゲージメントとは何かを解説します。
“つながりの質”を示す指標
エンゲージメントとは、従業員や顧客と企業を結びつける関係性の深さを示す概念です。
単なる満足度ではなく、「この会社で成果を出したい」「仲間とともに成長したい」という主体的な思いが含まれます。
- 経営の方向性に納得して働いている
- 自分の仕事が価値を生んでいる実感がある
- 組織や仲間へ信頼を寄せている
- 成果に主体的に関わろうとする
この状態こそ、エンゲージメントが高いといえるでしょう。
ビジネス成果と直結する
エンゲージメントが高い企業ほど、生産性の向上、離職率の低下、改善提案の増加、顧客満足度の向上といった好循環が生まれます。
そのため近年は人事施策ではなく、企業競争力の源泉として扱われています。
◆なぜ“やりがい”だけでは不十分なのか
やりがいだけでは不十分なのでしょうか。
生活や将来不安には勝てない
「やりがいはあるけれど収入に不安がある」「好きだから続けたかったが、家計が厳しい」
こうした声は珍しくありません。
熱意や理想だけでなく、生活と成長の基盤が整っているかが重要になっているのです。
“好きの搾取”を防ぐ視点が必要
やりがいに依存しすぎると、次のような危険が生まれます。
- 長時間労働が当たり前になる
- 報酬や環境の改善が置き去りになる
- 支援のない成長機会が押し付けられる
エンゲージメントが高い企業は、働く基盤を整える責任を果たしたうえで、個々の力を引き出す仕組みをつくっているのです。
◆エンゲージメントが高い企業の共通点
エンゲージメントが高い企業の共通点の紹介です。
1.パーパスと仕事の意味がつながっている
ビジョンと日々の業務が結びついている企業は、自分の役割への納得感が高まります。
2.心理的安全性が高い
失敗や意見を出しても否定されない環境は、挑戦する意欲と自発的な行動を引き出します。
3.キャリア自律の支援がある
リスキリング制度や社内公募、1on1など、未来に希望を持てる仕組みが整っています。
4.評価と報酬の透明性がある
納得できる評価制度こそ、信頼と努力を支える土台です。
5.感謝と承認の文化がある
小さな貢献を見える化し、互いに認め合う文化が、誇りと愛着を育てます。
◆エンゲージメント向上の第一歩
エンゲージメントお向上のための第一歩をお伝えします。
- 自社にとっての「エンゲージメントが高い状態」を言語化する
- 月1回の1on1やミーティングで対話を増やす
- やりがいではなく“共に成果を出す関係”を目指す
こうした積み重ねが、組織の強さにつながっていくでしょう。
◆まとめ
やりがいだけに頼る働き方は、もはや限界を迎えています。
求められるのは、企業と従業員が対等に価値を提供し合う関係です。
信頼と成長の土台を整え、対話と承認を重ねることで、「ここで働き続けたい」と思える組織が生まれます。
エンゲージメントこそ、これからの企業成長の鍵になるでしょう。
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