今回は、「素直さ」についてお話していきたいと思います。経営の神様である、松下幸之助氏は「人が成功するために一つだけ重要な資質があるとすれば、それは素直さだ」とおっしゃいました。それほど、会社経営において「素直さ」というものは非常に大切なものなのです。
しかし、どうでしょう、あなたは自分のことを素直な人間だと思いますか?私たち経営者は、普段から責任ある立場でリーダーシップを発揮する人種だからこそ、なかなか素直に人の意見を聞いたり、実際に周りからのアドバイスを聞き取り入れたりするのが難しくなってはいないでしょうか?
そこで、この動画の前半では、経営者が素直になれない大きな理由からお話して、後半では、素直になる方法をいくつかご紹介します。素直さが自分に足りないという方は是非参考にしてみてください。
経営者が素直になれない5つの大きな理由
理由①競争心の強さ。経営者と言われる人種は一般的に、強い競争心を持っています。この競争心はビジネスの成功に必要不可欠な要素であり、会社を成長させるための原動力となります。しかし、この競争心が過剰になると、他人の意見や助言を受け入れることが難しくなります。経営者は、自分が常に最も優れた判断をしていると信じたい傾向があり、競争心の強さが、他人の意見を聞くことが自分の弱点をさらけ出すことだと感じさせ、結果として素直さを妨げるんです。
理由②過去の成功体験。成功体験は経営者にとって非常に重要なものです。成功体験を重ねることで、経営者は自信を持ち、リーダーシップを発揮することができます。しかし、成功体験が過剰な自信を生む場合があります。経営者が過去の成功に固執し、自分の判断や意見が常に正しいと信じ込むことが、他人からのアドバイスや意見を受け入れる素直さを失わせる要因となっています。
理由③責任の重さ。経営者は組織全体の成功と失敗の全責任を背負っています。この責任の重さが、他人の意見を取り入れることに対して慎重になる理由ともなります。経営者は、組織の方向性を決定する責任があるため、他人の意見を受け入れることで、最終的な決定が自身のコントロール外になることをリスクと感じるからです。また、失敗した場合、その責任が全て自分に降りかかるというプレッシャーもあり、自分の判断に依存し、他人の意見を軽視することがあります。
理由④経験の偏り。長年の経営経験は、経営者にとって貴重な資産です。しかし、この経験が偏った視点、バイアスを生み出すことがあります。その結果、新しいアイデアや異なる視点を受け入れることが難しくなります。経験が豊富なことは強みである一方で、その経験が固定観念を形成し、変化を受け入れる柔軟性を失わせ、他人の意見を受け入れられない原因になります。
理由⑤過去の失敗の影響。過去の失敗は、経営者にとって貴重な教訓となりますが、その影響が大きすぎると、新しい挑戦や他人の意見を受け入れることに対して慎重すぎる態度を取る原因となります。特に、過去に他人の意見を取り入れて失敗した経験があると、その記憶が碇のごとく強く重くのしかかり、再び同じ過ちを繰り返したくないという心理が働きます。その結果、他人の意見を拒絶する傾向が強まり、自分の判断に固執するようになります。
経営者が素直になれない理由がわかったところで、どのようにしたらこの状況を転換することができるかを考えたいと思います。
経営者が素直になるためのアプローチ3STEP
STEP①自己理解を深める。経営者が素直になるためには、自己を深く理解することが不可欠です。自己理解とは、自分自身の価値観、信念、強み、弱み、感情の傾向などと向き合い深く理解することです。多くの人は向き合っているようで向き合っていません。このプロセスは、経営者が他人の意見やフィードバックを受け入れやすくし、組織の成功に貢献する素直さを育むための基盤となります。
では、その自己理解を深めるにはどうしたらいいのか?一番簡単なのは、日記を書くことをオススメします。日記を書くことで、自分の行動や決定を振り返り、何がうまくいったのか、何が改善が必要かを分析することができるようになります。
これにより、自分の思考パターンや行動の傾向を把握することができます。また、経営者のためのマインドセットプログラムやカウンセリングと言った自己理解のための環境に自ら飛び込むことも有効です。ちなみに私は、経営者のための「自己理解」と「繋がり」をテーマにした無料コミュニティーを主宰しておりますので、ご興味がある方はのぞいてみてください。
STEP②ポジティブな自己対話。経営者が素直になるためには、ポジティブな自己対話を習慣化することが重要です。自己対話とは、自分自身との内面的な会話を指します。いませんか?もう一人の自分が自分の中に。
この自己対話がポジティブであれば、経営者は自己信頼を深め、他人の意見やフィードバックを受け入れやすくなります。ポジティブな自己対話のやり方としては、まず意識的にポジティブな言葉を使うことが有効です。
例えば、「失敗したらどうしよう」と考えるのではなく、「挑戦することで成長できる」と捉えるようにするなどです。次に、毎朝、肯定的な自己宣言を行うことが効果的です。「私は成功するために生まれてきた。」「必要な能力をすべて持っている」「私はできる!」「私は最高!」「私は他人の意見を受け入れることでますます成長する」といった宣言を声に出して繰り返すことで、ポジティブな自己対話を強化していくことができます。
さらに、瞑想やマインドフルネスの実践も有効な手段です。静かな時間を充分確保し、自分の内面と向き合うことで、ネガティブな思考を整理し、ポジティブな視点を取り戻すことができるようになります。
アプローチSTEP③フィードバックを受け入れる仕組みをつくる。で、最後に、素直さを養うために最も重要なことは、フィードバックを積極的に受け入れる姿勢を持つことです。経営者としての経験が増えると、成功や権力の影響で他人の意見を受け入れるのが難しくなることがあります。しかし、成長するためには外部からの意見や客観的な評価が必要不可欠です。まず、フィードバックを求めること自体が重要なのです。経営者は部下や同僚、顧客、さらには業界の専門家からのフィードバックを定期的に求めるべきです。
例えば、定期的なフィードバックセッションを設けることや、匿名の意見を受け付けるシステムを導入することなどで、組織全体の意見をより収集しやすくなります。
フィードバックを受ける際には、自己防衛的な態度を避け、オープンな姿勢で臨むことが重要です。無意識な防衛的態度、自己正当化は他人の意見を軽視する結果になり、組織の信頼を損なう可能性があります。
フィードバックを受けた後は、具体的な行動計画を立て、それに基づいて改善を実施しましょう。これにより、フィードバックが無駄にならず、実際の成果として現れてくるでしょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。私は、普段、経営者、個人事業主、フリーランスなど自分で事業をやっておられる方が幸せに成功するための具体的な方法を”無料オンラインサロンBMC”でも教えています。ご興味のある方は、是非覗いてみてください。