今回は、アンガーマネジメントについてお話していきたいと思います。アンガー、怒りです。怒りをコントロールすることはできるのでしょうか?会社をやっていると、怒りや大きなストレスを感じることが多々あると思います。
私も特に起業当初、初期の頃は、ダメだと思いながらも毎日のようにイライラしていたのを覚えてます。奥さんなんかにもよく当たっていました。心の平穏を保とうとするけど、なかなか難しいのはなんででしょうか?この動画の前半では、そういった怒りを抑えることがなぜ難しいのか?からお話していき、動画の後半では、心理的アプローチによる改善方法をいくつかご紹介します。自分が怒りっぽかったり、ストレスを感じやすいという方は是非参考にしてみてください。それでは参りましょう。
アンガーマネジメントが難しい3つの理由
1つ目の理由は、脳の構造と反応が関係しています。まずアンガーマネジメントが難しい理由を理解するには、私たちの脳の構造とその反応の仕組みを知る必要があります。特に怒りの感情は、脳の中でも「扁桃体」という部分で処理されます。扁桃体は感情を司る脳の領域で、とりわけ恐怖や危険を感じたときに素早く反応することで知られています。
この扁桃体の反応速度は非常に速く、何か脅威を感じた瞬間、即座に反応して体を防御する準備を始めます。この過程で起こる「扁桃体ハイジャック」という現象は、怒りの管理を複雑にする大きな要因です。扁桃体ハイジャックは、扁桃体が極度の感情に刺激された際に、脳の他の部分、特に理性的な判断を行う前頭前野の機能を一時的に抑制します。
結果として、感情的な反応が即座に表面化するのです。一度怒りが湧き上がると、冷静さを取り戻すのが困難になります。この扁桃体の素早い反応は生物学的には生存メカニズムの一環ですが、現代社会ではしばしば不適切な状況で怒りとして現れることがあります。したがって、アンガーマネジメントでは、この扁桃体の反応を理解し、コントロールする方法を学ぶことが非常に重要だと言われています。
アンガーマネジメントが難しいもう一つの理由には、社会的および文化的な要因が関係しています。世界には多様な文化が存在し、それぞれの文化によって怒りという感情に対する扱い方や見解が大きく異なります。特に、日本のような怒りは抑えるべき感情であり、表に出してはならないと教えている文化圏では、この感情表現が特に難しい課題です。このような文化的背景を持つ社会では、怒りを感じたときにそれを外に出さないように自己抑制することが美徳とされ、怒りを表に出すことが悪いこと、恥ずかしいこととして扱われがちです。
この結果、個人は怒りを内に秘めることで精神的な圧力が増加し、感情の健康を害することに繋がることもあります。さらに、怒りを抑制することに重点を置いた教育を受けてきた人々は、怒りの感情が湧いてきたときにどのように適切に対処すればよいのかの具体的な方法や手段を学んでいないことが多いです。これにより、感情の爆発や不適切な方法での感情の発散が起こりうるため、状況を悪化させるリスクが高まります。
以上のように怒りは悪者のように扱われていますが、危険を回避したり、価値観や自尊心を守ったりする人間の防衛本能の一部なので、人間に欠かせない感情です。体や心、もしくはその両方を守るために、おかしいと思う気持ちを伝える手段が怒りなのです。アメリカのカーネギーメロン大学の研究でも、「人間は強いストレスを感じた際、適度に怒りを発散することで自分をコントロールできるようになる」と証明しています。
最後に、3つ目のアンガーマネージメントが難しい理由は、怒りという感情は、ある意味「心の癖」とみなすことができるからです。この感情がコントロールできない主な理由の一つは、個々人が自分自身の怒りがいつ、どのようにして生じるかのパターンやトリガーを自覚していないためです。多くの人は、怒りを表現することが無意識のうちに習慣化されており、小さな刺激に対しても過剰に反応してしまうことが良くあります。怒りを適切に管理するためには、まず自己理解が不可欠です。
自分がどのような状況で怒りやすいのか、どんな言葉や行動が怒りを引き起こすのかを理解することから始めます。自覚は、不適切な怒りの反応を減少させ、より建設的な対応を選択する助けとなります。また、怒りは決して抑えるべきではなく、健康的な方法で表現することが重要です。感情を否定するのではなく、怒りが湧いたときに冷静になれるテクニックを身につけることが大切だということなのです。
心理学的アプローチによるアンガーマネージメント
一般的には「6秒ルール」や「深呼吸」などの怒りを感じたときの対処法がアンガーマネージメントとして説明されることが多いですが、ここでは、心理学的アプローチをつかった習慣的に怒りをコントロールする方法を3つご紹介したいと思います。
1つ目の方法は、セルフアウェアネスを活用する方法です。アンガーマネージメントにおいては、セルフアウェアネス、つまり自己認識の向上が非常に重要です。自分自身の感情に敏感になり、その原因や発生状況を理解することが、適切な感情のコントロールへの第一歩となります。
日常生活において感情日記をつけることは、特定の感情が何によって引き起こされるかを明確にする効果的な方法です。この日記には、どんな出来事が怒りを感じさせたのか、その時の具体的な状況、感じた感情の種類や強度、その後どのように対応したかなどを記録します。
これにより、パターンが明らかになり、将来的に同様の状況に遭遇したときにより良く対処できるようになります。また、最近では感情アプリといった、自分の感情を記録していくアプリがありますので、これらのアプリを活用し、日々の感情の変動をリアルタイムで記録し、分析することも有効です。これにより、どのような時に不快感やストレスが増大するのか、そのトリガーを正確に特定できるようになります。
2つ目の方法は、認知行動療法を活用することです。認知行動療法、略称としてCBTというのですが、CBTとは、怒りを含む様々な感情的問題に対処するために広く使われている心理療法の一つです。
この療法の目的は、不健全な思考パターンや認知の歪みを特定し、それをより現実的で健康的な思考へと変えることによって、感情や行動にポジティブな変化をもたらすことです。
具体的には、CBTでは自分の考え方に向き合い、根拠のないネガティブな思考を評価していくということをやります。たとえば、「もし失敗したら、みんなに笑われる」といった自動的なネガティブな思考がある場合、それが現実のどれほどの根拠に基づいているかを検証し、より現実的な見方に置き換えることで感情のコントロールを学びます。
例えば、「失敗は学びの機会であり、失敗から多くを学べる」といったように思考を再構築していくといったようなことです。CBTではまた、「もし〜なら、〜する」という思考を用いて、具体的な行動計画を立てます。これは、不安や恐れなどの感情に対して具体的かつ現実的な対応策を準備することで、感情の準備とコントロールを可能にします。たとえば、「もし怒りを感じたら、深呼吸をしてから反応する」といった計画を立て、実際の状況でそれを実行することで、怒りの感情に対処する能力を向上させます。
で、最後3つ目の方法は、マインドフルネスです。マインドフルネスは、意識と注意を自分の内側に集中させる実践であり、怒りの感情をコントロールし、ストレスレベルを軽減するのに役立ちます。
現在起こっている事柄や行動に対し意識を集中させる行為をマインドフルネスと言い、メディテーション(瞑想)の最中に実践することがマインドフルネスだということが言えます。マインドフルネスを習慣化することで、特に怒りが表面化しやすい瞬間に、感情の高ぶりを鎮め、反応ではなく応答を選択するための精神的な余裕がでてきます。マインドフルネスの基本的な実践方法は、単純な呼吸に意識を集中させることから始めます。吸って、吐いてを意識しながら、心が雑念に走った際は、優しく注意を呼吸に戻します。
この単純な行為は、心を今に集中させ、自動的にわいてくる感情的反応から距離を置く練習になります。また、マインドフルネスを日常生活に取り入れる方法として、歩行中や食事中にも意識的な注意を払うことが推奨されます。たとえば、歩行中には足が地面に触れる感覚に注意を向け、食事中には食べ物の味、香り、食感を一つ一つ味わうことに集中します。これにより、日常に怒りといった無意識の感情的な反応に振り回されることが少なくなります。
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